共同通信杯からクラシック戦線へと羽ばたくのは? 期待はスワーヴリチャード産駒の2頭

昨年9月、中山・芝1600mの新馬戦を勝利したショーマンフリート

2月11日(日)、東京競馬場で3歳馬によるGⅢ共同通信杯(芝1800m)が行なわれる。

このレースは3歳クラシックと関連性の高いレースで、2021年の勝ち馬エフフォーリアと2022年の2着馬ジオグリフは続くGⅠ皐月賞(中山・芝2000m)を制覇。また、2021年の3着馬シャフリヤールはGⅠ日本ダービー(東京・芝2400m)を制覇と、勝ち負けに限らず大成する馬が多い。勝ち馬だけでなく、敗れた馬の内容もよく見ておくべきレースだ。

昨年9月、中山・芝1600mの新馬戦を勝利したショーマンフリート
昨年9月、中山・芝1600mの新馬戦を勝利したショーマンフリート

レースを血統的視点から占っていこう。過去の好走馬の血統を見ると、注目すべきはハーツクライの血だ。共同通信杯にはこれまでに直仔9頭が出走していて、2017年のスワーヴリチャード、2022年のダノンベルーガで2勝しているほか、2着1回、3着1回で勝率22.2%、連対率33.3%という好成績。さらに母の父としても、2021年にエフフォーリアが勝利している。

ハーツクライ産駒はドウデュースとワンアンドオンリーが日本ダービー、ヌーヴォレコルトがGⅠオークス(東京・芝2400m)、シュヴァルグランとスワーヴリチャードがGⅠジャパンC(東京・芝2400m)を勝利するなど、東京コースでの快走が多いが、共同通信杯でも同様の傾向が見られる。

今年はハーツクライ産駒の登録はないが、後継種牡馬スワーヴリチャード産駒が2頭出走を予定している。前述のように、スワーヴリチャードはこのレースの勝ち馬であり、日本ダービーで2着、ジャパンCを勝利と、東京コースの適性は非常に高い。

初年度産駒は現3歳で、昨年は新種牡馬チャンピオンとなった。GⅠホープフルS(中山・芝2000m)勝ち馬のレガレイラのほか、東京コースではコラソンビートがGⅡ京王杯2歳S(東京・芝1400m)、アーバンシックが百日草特別(東京・芝2000m)を勝つなど東京コースでも好成績を残している。また、1800mの距離も得意条件で、芝の全21勝中最多の9勝が1800m。コースも、東京で最多の6勝を挙げており、東京・芝1800mは合う条件だ。

今回はスワーヴリチャード産駒が2頭出走を予定しているが、筆者が上に見るのがショーマンフリート(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。同馬は昨年9月、中山・芝1600mの新馬戦で3番手追走から抜け出し、2着以下に2馬身半差をつけて快勝。続く前走のGⅢシンザン記念(京都・芝1600m)は5着だった。

新馬戦は1000m通過が60秒5と1600mにしてはスローペースで、距離が延びても問題なさそうな走りを見せていた。前走のシンザン記念は約4カ月ぶりの実戦で体重は18kg増と余裕のある仕上げで、外めの16番枠だったこともあり外を回るロスがあったのに加え、1000m通過58秒4と新馬戦よりハイペースだったこともあり、流れに乗れていない感もあった。ひと叩きして展開も変われば勝ち負けできるはずだ。

母の父シユーニは、昨年のGⅢ京都2歳S(京都・芝2000m)を勝ったシンエンペラーの父としても注目を集めており、その父ピヴォタルは2020年のこのレースの勝ち馬ダーリントンホールの母の父でもある。父系のみならず、母系の血もこのレースと縁があるということで、勝利に期待したい。

もう1頭も、スワーヴリチャード産駒のパワーホール(牡3歳、栗東・昆貢厩舎)を推す。同馬はGⅢ札幌2歳S(札幌・芝1800m)で2着に入った実績馬。前走の京都2歳Sは12着で、それ以来約3カ月ぶりの出走となる。

おばには、GⅡフローラS(東京・芝2000m)勝ち馬のミッドサマーフェア、昨年のGⅢターコイズS(中山・芝1600m)を勝ったフィアスプライドがいるなど活気がある牝系だ。ちなみに、馬主のNICKSは父スワーヴリチャードの馬主でもあり、同馬主による父仔制覇に期待する。

以上、今年の共同通信杯は、スワーヴリチャード産駒の2頭、ショーマンフリート、パワーホールの2頭に注目したい。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *