中山記念、馬券的中のカギは「馬場」にあり! 前を行く伏兵2頭の大駆けにご用心

中山記念での勝ち負けが期待されるボーンディスウェイ。

関東の舞台は今週から中山競馬場へ。その開幕週には伝統の重賞、GII中山記念(2月25日/中山・芝1800m)が行なわれる。

およそ1カ月後に行なわれるGI大阪杯(3月31日/阪神・芝2000m)の前哨戦といった位置づけであると同時に、3月末のドバイワールドカップデーをはじめ、4月半ばに行なわれるシドニーのGI競走や、4月末の香港チャンピオンデーといった海外の大舞台に向けて、有力馬が始動するレースでもある。

その分、実績のある実力馬も数多く出走するが、意外にもそうした人気馬は苦戦傾向にある。過去10年の結果を振り返ってみても、1番人気は3勝したのみ。それ以外はすべて馬券圏外に沈んでいる。おかげで、3連単ではオイシイ配当がしばしば生まれている。

はたして、今年はどうか。メンバー構成を見渡して、スポーツ報知の坂本達洋記者はこう分析する。

「毎年のことではありますが、レースの行方を占ううえでは、明け4歳の有力馬と古豪との力関係がポイントになります。そして今年も、魅力的な明け4歳馬が参戦してきました。

なかでも、昨春のGI皐月賞(中山・芝2000m)で戴冠を遂げたソールオリエンス(牡4歳)と、4連勝でGII毎日王冠(10月8日/東京・芝1800m)を制してGIマイルCS(11月19日/京都・芝1600m)でも4着に健闘したエルトンバローズ(牡4歳)が人気を集めそうで、主役候補となるでしょう。

一方のベテラン勢は、明け8歳となりますが、過去にこのレースで2勝を挙げているヒシイグアス(牡8歳)が怖い存在。前走の海外GI香港C(12月10日/香港・芝2000m)でも僅差の3着と力の衰えは見せていません。

さらに、鞍上は短期免許で来日中のレイチェル・キング騎手。年が明けてからの重賞レースですでに2勝を挙げるなど、日本競馬にも対応して腕達者なところを見せています。まともなら、侮れません」

今年も好メンバーがそろったが、坂本記者は馬券戦略においては、実力だけではない部分にもしっかり目を向けるべきだと言う。

「ズバリ、馬場です。中山記念の馬券的中のカギはそこにあります。2回中山開催の開幕週に行なわれる一戦で、年末年始に荒れた芝も回復。セオリーどおり、逃げ・先行馬が有利な傾向があります。

昨年は逃げたドーブネが3着に粘って、一昨年にはのちに海外GIのドバイターフ(UAE・芝1800m)やサウジC(サウジアラビア・ダート1800m)で優勝したパンサラッサが鮮やかな大逃げを決めています。過去10年の結果を見ても、昨年を除いて勝ち馬はすべて4角4番手以内でした。

昨年勝ったヒシイグアスにしても、4角8番手だったとはいえ、一団の馬群で先行勢に近い位置につけていました。そこからうまくさばいて抜け出してきたもので、大外から差してきたわけではありません。いずれにしても、前でうまく立ち回れる馬にチャンスがあると考えています」

馬場という点においては、今年は週末の天気が気になるところだが、そのあたりの影響はどうなのか。坂本記者はこう語る、

「今週、関東地方は週中から雨が降り、開催当日も天気が崩れる予報です。昨年の1、2着馬であるヒシイグアスとラーグルフ(牡5歳)は、ともに道悪が苦手なタイプ。また、ソールオリエンスは道悪の皐月賞を勝ちましたが、今回も後方からまくる競馬になりそうなので、開幕週の馬場で届くのか、微妙なところです。

こうして有力馬に懸念があるとすれば、馬券的には穴党の出番があると踏んでいます」

そこで、坂本記者は想定される馬場を味方にして浮上しそうな伏兵2頭を穴馬候補としてピックアップした。

「1頭目は、ボーンディスウェイ(牡5歳)です。2走前の3勝クラス・常総S(12月9日/中山・芝1800m)を勝ってオープン入りしたばかりですが、前走のGIII中山金杯(1月6日/中山・芝2000m)でも好位2番手から4着。勝ち馬にコンマ3秒差と見せ場十分の内容でしたから、重賞でも通用する目処が立ったと見ていいでしょう。

中山記念での勝ち負けが期待されるボーンディスウェイ。
中山記念での勝ち負けが期待されるボーンディスウェイ。

持ち前の先行力で開幕週の馬場も歓迎のクチ。そもそも中山コースで3勝を挙げている中山巧者です。2歳時にもGIホープフルS(中山・芝2000m)で10番人気ながら5着と健闘。中山では本当によく走りますね。

最終追い切りでも美浦のWコース単走で、6ハロン79秒1-ラスト1ハロン11秒6の好時計を馬なりでマーク。調子はよさそうです。手綱をとった木幡巧也騎手も『先週の時点で結構仕上がっていましたが、そのなかでリズムよく、抑えも利いて、仕上がりはとてもいい』と納得の感触だったようです。牧光二調教師&木幡巧也騎手の”師弟コンビ”での重賞Vに期待がかかります」

坂本記者が推奨するもう1頭は、果敢な逃げを武器とするテーオーシリウス(牡6歳)だ。

「こちらも脚質面から注目したい1頭です。今回のメンバーのなかにあっては、何が何でもハナを主張してくるであろう馬で、決して軽く見てはいけないと思います。

前走のGIIIチャレンジC(12月2日/阪神・芝2000m)は12着惨敗でしたが、大外枠発走の不利に加え、道中もマークしてきたフリームファクシに早めにこられて厳しい展開を強いられました。

ただし、ハマれば常に大駆けが期待できる存在。3走前のGIII小倉記念(8月13日/小倉・芝2000m)では、それこそ夏の開幕週の馬場を生かして、2着に逃げ粘ってみせました。

展開に左右される面はあるものの、今回も迷わずハナを主張するはず。馬場を味方にしてすんなり運ぶことができれば、あっと言わせるシーンがあってもおかしくありません」

春の大一番へ向けて、注目の一戦。期待の有力馬がここをステップにして、さらなる飛躍を遂げるのか。それとも、思わぬ馬が台頭し、”荒れる”GI戦線へと突入していくか。ゲートインはまもなくである。

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